複雑な本音

いよいよ正式な退職日まであと3日。
 
正社員じゃなかった私は「正社員になる為に転職」と発表した。
そしたら「ウチで正社員になればいいじゃん?」と多くの社員に
言われた。社員だけに留まらず経営メンバーにも言われた。
嬉しい言葉だった。今のところ後悔はないけどでもみんな遅いよ。
 
「なぜ俺に相談しなかった?」と言った課長。
このブログで度々「一緒に飲みに行った」と登場していた課長だ。
彼にはかわいがってもらっていたと思う。そして私も慕っていた。
もちろん相談しようと思い、何度も声をかけた。
何の相談か言わなかったから大したことないと思ったのか…
時間は取って貰えず、いつしかスルーされるようになった。
それが凄く悲しかった。ここで社員になることへの不安…。
だから「辞める」と決定後に「なぜ俺に相談しなかった?」と
言われた時は、ちょっとムカついて、そしてちょっとホッとした。
ホッとしたのは見捨てられてはいなかったんだなって。
  
でも今思うこと。
課長に相談すれば社員への道を切り開いてくれたかもしれない。
ただこの課長は違う課の課長。私の仕事の何を知っているのだ?
「経営陣の苦しみの分からない奴はいらない」と以前に言われて
しまったことがある。その時に「じゃあ、末端の人間の苦しみを
逆に分かりますか?私だって頑張っているんです」と言い返した。
そう、課長は私がどれだけのことをしているのかきっと知らない。
そんな課長の一声で社員への道が切り開かれるのは嫌だ。
仕事をするからには仕事を認めてもらって推薦してもらいたい。
周りに「仲良いからね(だから課長のコネで社員になれた)」と
言われるのは耐えられない。そして、そんなことの為に課長と
飲みに行ったりゴルフに行ったりして‘媚売っていた’みたいに
思われたくない。私は純粋に課長を慕っている。
スキャンダルっぽく言われるのは辛い。課長にも悪いと思う。
  
表と裏。引き上げた人の評価と周りの評価のズレ。
恐ろしい話だ。
 
幸い、退職を発表後に課長以外の経営陣を含む多くの社員から
「うちで社員なれば良かったのに」と言ってもらえた。
もし課長に相談して引き上げてもらったとしても周りにも納得して
もらえたのかな。しかしこれは「退職」が決まった後だから聞けた
みんなの本音。決定後だからみんなも深く考えずに寛大な優しい
言葉を掛けてくれているのかもしれない。それでも惜しまれて
辞められるのは幸せだ。
 
結論。
課長に何度も相談しようとした。
時間を取ってもらえなかった。
悲しかった。
誰にも相談せずに1人で「退職(転職)」を決めた。
「どうして俺に相談しなかった?」と言われた。
そして本音も聞けた。
周りにスキャンダルっぽく言われることもない。
無事に自力で就職先を決めた。希望の職種に内定。
 
これで1番良かったんじゃないかと思う今日。
せっかく仲良く働けている職場を去るのは寂しいけどね。

「正社員になる為に転職」だけが理由じゃない。
簡単に「転職しよう」と思う歳でもないし、軽い人間でもない。
他にもいっぱい考えて出した答えだから…それを理解して
送り出してくれる会社に感謝。